松戸市 11高校演劇部が競演 柏駅周辺に野外中心5ステージ
千葉県内外11高校の演劇部が一堂に会し、柏市の中心市街地で野外公演する「高校演劇 かしわンダーパレード」が、JR・東武野田線柏駅周辺で開催された。百貨店の店頭や神社、商店街など野外を中心に設営された5カ所のステージを各校が順番に回り、20分間の創作劇を上演。生徒たちの熱のこもった演技に大勢の買い物客らが足を止め、笑いあり、涙ありの“演劇フェス”を楽しんだ。
かしわンダーパレードは、地元商店街の有志らでつくる実行委員会が運営。独自のファッションやアート、ストリートミュージシャンが集う柏に新たな若者文化を誕生させようと、実行委員長を務めた「柏二番街商店会」の石戸新一郎理事長(70)が、親交のある日体大柏高校=同市=演劇部の林祐介教諭(37)に相談し、企画を進めた。
石戸理事長は「柏の文化の特徴はストリート。室内活動が多い演劇を野外でやれば面白いし、回遊性も高まる。歩いて楽しいのはもちろん、『柏の街に来れば何か楽しいことをやっている』というイメージを根付かせたかった」と話す。
人、街、世代のつながりを深めたい-との願いを込め、イベントのテーマは「つなぐ」。同市と松戸市の高校10校のほか、埼玉県立越谷南高が参加し、総勢約140人の高校生が集結。友情や家族、時代など、各校がさまざまな形の「つなぐ」を渾身(こんしん)の演技で表現した。
芝浦工業大学柏高=柏市=は、書き下ろし「ハッピーエンドは夢の中」を上演。トランスジェンダー問題に触れながら、「不思議の国」で繰り広げられる恋愛模様をコメディータッチで描いた。部長の2年、平野天斗さん(17)は「屋外公演は初。声が響かず難しかったが、たくさんのお客さんが見てくれてうれしかった」と笑顔を見せた。
おとぎ話「わらしべ長者」を現代風にアレンジした二松学舎大学付属柏高=同市=は、人間の欲をテーマに歌やダンスを取り入れた新たな演劇スタイルで観客を魅了。主役を演じた1年、蛯原奨之さん(15)は「昔話を現代に伝えることも『つなぐ』のひとつの形。お客さんが楽しそうに笑ってくれていたので、ほっとした」と話した。